奄美大島ブログ

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「西郷どん」と奄美大島

『近世・奄美流人の研究』



■概要

タイトル:『近世・奄美流人の研究』
著  者:箕輪 優
仕  様:A5判、上製本、390頁
定  価:(本体3800円+税)
発  行:図書出版南方新社

■西郷の書簡から見えてくること(本書「第五章」より編)

奄美大島に着島後30日、大久保利通宛ての手紙では、島の女性を「垢のけしょ(化粧)1寸ばかり(略)あらよう」とおどけて見せ、男性については「誠にけとう人(毛唐人)には困り入り候。矢張りハブ性にて、食い取ろうと申す念ばかり」と差別丸出しです。
その2カ月後には、龍郷は酷いところだからと場所替えを代官に願い出て、さらにその1カ月後にも大久保に対し、「このけとう人の交わり如何にも難儀至極、気持ちも悪しき」と嘆いています。
二度目の徳之島では、「大島よりは余程夷の風盛ん」と、夷と毛唐を同義語として使い、徳之島の方が酷いと訴えています。西郷の奄美の人々への見方は変わっていません。
明治4年、政府重鎮の西郷は、大蔵省にばれないように士族救済のために奄美の黒糖専売(搾取)を継続せよと、県参事であった桂久武に指示しました。

小説やドラマは、作者の意図通りに描かれていきますが、その一方で事実は事実としてあります。維新の立役者であることは事実ですが、搾取される側から見ると意外な人物像が浮かび上がります。明治維新、西南戦争なども、冷静な歴史検証から実像が明らかになってくるのではないでしょうか。

■元鹿児島大学名誉教授、故・原口虎雄氏の西郷評(本書 「第五章」に収録)

「右の書翰によって見るに、西郷は単に〝大島商社〟設立の勧奨者たるにとどまらず、大蔵省胡麻化しの手段も懇々と教示して陰謀の片棒をかついでいたようである。〝西郷は島の救世主〟というようなイメージはたいへんな謬見で、この謬見は次に述べる〝勝手世騒動〟で見事に化けの皮を破られる。ついでながら島津斉彬の〝仁君〟のイメージも、大島・喜界島・徳之島三島の黒糖専売の枠をさらに広げて、沖永良部島・与論島まで惣専売の地獄網にひき入れた(中略)西郷にしても斉彬にしても、薩摩藩政治家の伝統的な奄美植民地観の枠内の人であって、その歴史的実像は個人の徳性や人間性云々の問題をはるかに遠くこえたところにあった。
(出典、原口虎雄「奄美大島の耕地制度と農村の両極分解―ことに黒糖専売下の潰村と家人の発生について―」『南島史学会』)」


■内容(目次より)

総論
「奄美流人」を中心とした、奄美・薩摩藩関連概略史ほか
各論 
第一章 流人種別
第二章 各種資料等に記された流人
第三章 奄美流人概要
第四章 奄美流人諸相
第五章 名越左源太と西郷隆盛
第六章 流人がもたらした奄美の教育文化
資料1 別表・奄美各島流人一覧
資料2 琉球(沖縄)・奄美・薩摩(鹿児島)関連史年表

■著者紹介

箕輪 優(みのわ ゆう)
1951年2月 奄美大島名瀬市(現奄美市)生まれ
1974年3月 國學院大學卒業
2011年3月 定年退職
2012年4月 成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士課程前期入学
2017年3月 同博士課程後期単位取得退学
論文
「近世における奄美遠島―「公儀流人」と「鴫之口騒動」の史料検討から―」(成城大学常民文化研究会『常民文化』第38号、2015年)
「享保十三年〈大島規模帳〉に関する考察―薩摩藩の奄美諸島支配について―」(成城大学常民文化研究会『常民文化』第39号、2016年)

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